雑種の素晴らしき日々   ~村の猫部の村民日記~

主に猫の、保護活動と里親募集を個人で行っています。全員が元保護猫であるうちの猫ずの日常もたまにご紹介します。

2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

安楽

クリが亡くなって以来、ずっと私の心を悩ませている問題がありました。安楽死です。クリがかかっていた病院の先生は、安楽死を容認しない人でした。「動物は死にたいと思っていないから」というのが、その理由です。 しかしもしも動物が、自分はもう助からな…

最期

私がもっとも恐れていたのは、モモの最期に私がそばにいないことでした。モモの母親のクリは実家の犬でしたが、看取ったのは私でした。 亡くなる一週間ほど前から食欲が顕著に落ち、散歩にも行きたがらず、体に触られるのも嫌がるようになりました。亡くなっ…

負目

モモは村に越して来て以来、常に家人のいた実家や大家さんのいた貸家での生活とは違ってひとりで過ごす時間が長くなり、いつも何かたりなさそうでした。大家さんにあげてきたほうがモモは幸せだったのではないかと思ったこともあったほどでした。胃液にやら…

幸福

自分のどうぶつが死ぬんだと思い知らされて本当に悲しいのは、その前後の絶望を別とすれば、死ぬことそのものではありません。ありとあらゆる生き物は、いずれ死ぬからです。悲しいのは、精一杯その人生を過ごさせてやれなかったこと、やり残したことがある…

思出

私がモモを殺したわけではない、ということにやっと納得がいって、落ち着いてきました。モモがもういない、という実感は、まだあまりありません。あの耳や鼻や手にもう一度触りたくて、さびしくもなります。人に話しかけられたり、ふとした拍子に涙が出てき…

自責

モモが死んだのは本当に私のせいではなかったのか、獣医にしつこく確認して推測でもいいから何かを言ってもらわないことにはもうどうにもならん、と思い詰め、ゆうべというか明け方、風呂に入っていました。風呂の隣にある車庫の中から、ニー、ニーという哭…

未練

亡くなった朝、ズーズーカンパニーでモモの好物を買い込んできたばかりなのに、食べられたのは砂肝1枚だけでした。もっと好きなものを食べさせてやりたかった。実家でなければ、葬儀でばたばたしていなければ、もっと早く様子がおかしいことに気付いたかも…

雲隠

2月の祖母に続き、5月3日に祖父が亡くなりました。ゴールデンウイークの後半はもともと用事で実家に帰る予定でしたが、予定外に葬儀も加わりました。実家には今や、モモが家を出た後にやってきた二代目クリ(血縁なし)が番を張っており、「他人のうち」…

選択

退院した当日はモモはずっとヒーヒー泣いていて、病院にとって返し痛み止めを打ってもらい、やっと静かに眠り始めました。翌日からはゆっくり、ゆっくりと、少しずつ、回復していきます。 包帯がとれて抜糸する頃、今後の治療の選択肢を提示されました。リス…

喪失

断脚手術をしたその晩は念のため入院し、翌日モモは退院しました。彼女は病室から包帯を巻いて駆け出してきました。モモはこの時点で既に1か月以上、折れた脚を使わずにぴょん跳ね歩きをしていましたから、時々バランスを失ったような様子はありましたが、…

断脚

私は気持ち的に断脚を急いでいました。折れたまま腫れてきた脚からモモを楽にしてやりたいと思っていたし、さらには前回書いたことと矛盾していますが、そこに病巣があるとまだ他に転移しそうな、いわれのない恐怖もあったからです。とはいえ実際に手術をし…