雑種の素晴らしき日々   ~村の猫部の村民日記~

主に猫の、保護活動と里親募集を個人で行っています。全員が元保護猫であるうちの猫ずの日常もたまにご紹介します。

犬塚

実家には農家にふさわしく、父しか場所を知らない犬塚があります。

クリが亡くなったその夜、父はクリを塚へ運んだのですが、私の部屋から運び出されてトラックに乗せられるとき、死んだクリの口から滝のように血が流れ落ちました。それは病的な獣の臭いを放っていて、命が終わりを迎えるというのはこういうことなんだと、実家の飼い犬の歴史の中で初めて知りました。

犬塚に安置するというのは悪い考えではないように思えますが、実家を出て村に職を求めた私は、遠い場所にモモを埋める気にはあまりなれません。母はいったん埋めて3年後くらいに掘り出せば、という提案までしてくれましたが、父によると、土の鉄分で骨が黒くなったりするので、あまりいい考えではないそうです。

遺骨を後生大事に抱えているから、私が死んだら一緒にどうぶつの骨も埋めてほしいと、私が育てた一番下の弟に頼んでみました。

私は仏教徒ではないので、本当は墓に入るのも嫌なのですが、女一人で死んだ後始末には弟たちも難儀するでしょうし、後に残された人たちの気持ちの問題もあるので、自分の死後のことはこの際どうでもいいと思っています。どのみち私の与り知らぬことです。しかし一緒に埋めてもらえる、という約束は、生きている私の心の問題です。こんなことにこだわるなんて頭の悪い女みたいだ、と我ながら思いますが、死んでまで気になることは他にあまりないのですから、これくらいはいいかな、とも思います。

叔母の情報では、動物の骨を一緒に埋めることには何の問題もないそうです(たぶん、寄付が必要なんだろうとは思いますが)。
弟は一応了承してくれました。ありがたいことです。
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