最初の手術

骨折した翌々日、最初の手術をしました。
モモは前日から入院していましたが、一晩中哭いていたそうです。飼い主と離されるとそれだけで大騒ぎする「分離不安」の傾向のあるモモですが、結局これに続く１週間ほどの入院の間、諦めておとなしくなるまで、モモは騒ぎ続けました。

遅くともこの時点で、転院すべきだったと悔やまれます。モモはこの病院が他よりも嫌いでした。よそではこんなに騒ぎ続けたことはありません。モモのためを思えば転院の理由としてはじゅうぶんでした。
私の側にも転院しようと思うだけの言い訳はありました。Ｍ動物病院のＳ先生と私は、治療の方針というよりは動物への接し方について、根本的に意見というか態度の違いがあったのです。

最初にここに通い始めたのは、引っ越してきたときに前の病院から紹介されたからであって、私の側に積極的な理由はありませんでした。それでもこの局面において転院の決心を鈍らせたのは、『獣医が薦めるいい獣医』みたいな本でＳ先生を見てしまったからです。

手術は折れた後ろ左足の内股からメスを入れ、金属のパイプを骨にあてがってワイヤで束ねる、みたいな形で行われました。
手術前には検査もありましたが、折れた骨以外には影は見当たらず、転移の様子もなく、とりあえずは胸を撫で下ろした次第です。