雑種の素晴らしき日々   ~村の猫部の村民日記~

主に猫の、保護活動と里親募集を個人で行っています。全員が元保護猫であるうちの猫ずの日常もたまにご紹介します。

転移

もはや覚悟していたこととはいえ、それは決定的な宣告でした。

もっと早く、と思わなかったと言えば嘘になります。が、幸いなことに私は、こういうときに自分を責めまくって勝手に落ち込むような性格ではありませんでした。

早くに手術ができなかったことはどうしようもない。骨の病理検査に時間がかかるというのは本当らしく、当初2、3日で結果が出ると言っていたSペットクリニックですら、実際に結果が返って来たのは10日後でした。これはもちろん、先のM動物病院の1か月半とは比べるべくもありませんが、海外出張前に断脚できていたら転移がなかったかというと、それはあやしいと思います。

まずひとつには、血管肉腫の場合、脚の骨が原発病巣なのはまれである、という報告があること。
さらにそれ以上に、ガンには転移するガンとしないガンがある、という考え方について、信じているというよりは直感から納得がいくからです。

私は医者ではないし、仮に医者だとしても、さらに言えばガンの専門医だとしても、ガンのすべてが理解できると思うほど、生命の仕組みを甘く見ていません。ありていに言えば、医者の多くが言うことだからという理由だけで、それをすべて信じる気にはなれないわけです。専門家の間にすら見解の相違があるなら、与えられた情報の中から、自分で納得のいく考え方に従っていくしかありません。

たとえ断脚が早くてもいずれ転移はあっただろう、というのは、モモがこういう事態になって自分を慰めるために考えついたことではなく、もっと以前に自分の人生の在り方について真剣に考え始めた頃から思っていたことの延長線上です。
とはいえ結果的にではありますが、私が持っていたこういう考え方が、自分の気持ちを多少楽にしたのは確かです。

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